これは、突き止めると多分平凡な理由がある。しかしどうしてと思う部分もある。私は深夜起きていることが多いのでこういうことに気付くのだ。
いつの頃からか、 自販機の明かりくらいしか灯らぬ夜中。時間は三時から三時半。大体決まってそんな時間に回転する機械の音がどこからか漂ってくる。車のエンジン音かと言えばちょっと違う。発電機と言えばそんな気もする。距離は分からないが近くではない。それなりの距離のある所から聞こえてくる音だ。
一旦途切れたりするがまた何かが駆動する。道路工事のような気もするのだ。私はずっとそう思っていた。車が走らない夜中に始めて朝方には終える工程でどこかを工事している。そんなことだろうと思っていた。道路を掘削するようなと言えば、それが最も近いように思える。
しかし、ちょっと違うような気がしてきた。何しろそれならもっと長い時間に渡って音がするはずだが、短い。精々一分か二分。この頃はほぼ毎日のように聞こえてくる。
夜中だから誰も気付かない。寝ている住人を叩き起こす程でもない。だから、これもやっぱり近所の誰に訊いても知らぬと言うだろう。しかし発生源の近所では結構な音がしているはずだ。
方角が、まるでわからない。それが分かったら駆けつけてみる。短い時間なのでそれでも多分判明はしないだろう。
近所ごとで不思議なことは他にもある。自分が敏感なのだろうか。