そう例えても許されるだろうと思う。象が二つに見えること、そして回復に数日かかったことを以前に書いた。だが、問題はそれのみでなかった。とにかく眼の衰えは両眼にあって、特に右が良くないのだった。検査のために瞳孔を開いてストロボを炊いた。
いや、 検査をとやかく言っているのではない。それはこちらからお願いしたものだ。象が歪んで見えると伝えても、それはドライアイのせいだと最初医師は軽く考え、しかし自分にはそうは思えなかったから詳しい検査を依頼したのだった。そして結果を確認できれば対処の仕方があるのか、誰でも気になるのはその辺だろう。
検査の結果、ようやく黄斑部というところに異常があることを医師は認めた。膜が張って盛り上がっている。歪んで見えるのはそのせいだ。医師はいうのだが、だから、それはこちらにはわかっているのだ。とっくに想像が着いている。膜はともかくその辺の異常だろうと。
しかし医師は言う。視力がそんなに落ちていない、ならまだできることはない。これは近所の街中の医師だ。自分はそれなりの判断をする必要があった。医療機関にはその設備によってできることとできないことがある。できない機関とできる機関とでは、あるいは診察時の意見も違ってくるのだと。
どこまで悪化していくか知れない。調べる限り進行は比較的ゆっくりなようだが、現状でも右は良くない。これをどうするのか。可能なら、手術に頼らないで改善が望めるようなことがないだろうか。
そんなことを思いながら、とにかく仕事をしていた。仕事はモニターを眺めてやっている。もう昔程にモニターを眺めるのが楽ではない。鬱陶しい気分でいると、あるとき突然右眼に巨大な怪物が出現した。
それをどう表現すればよいのか、とにかく右眼全体を覆う怪物のような、つまりはこれも飛蚊症なのだろうか。あまりに巨大な飛蚊症。いや、そもそも飛蚊症なのか。
その時の心境はちょっと説明できない。ある程度は、例え左が残っているにしても、この先の人生を諦めねばならなかった。もしかしたら、ずっとこういう状態で生きるのか。飛蚊症ならそれで結構だが、飛蚊症が消えたとかの話をあまり聞いたことがない。あるのはほぼオカルト雑誌と私は目している健康雑誌の類の、本当かどうか知れぬ怪しげな記事の中だけだ。

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