視えるというあの女性だ。何度か居酒屋で遭遇しているが、あっちが完全に無視しているので視線を合わさない向きに座っているならあまり問題はない。来てるじゃないか、とママに言う。知らない顔しときなさい、とママは言う。こっちも無視してろというのだ。女性に対しては全体がそんな感じだ。
あっちこっちから敬遠されているという割にはいつもグループで店にやって来る。いつかカウンターに居た男がなにやら電話していると思ったら、多分女性を呼んだのだと思うが、しばらくするとやってきた。男は席を移動して女性の近くに座った。どう見ても親しいのだ。
話の割には親しい人も居るじゃないかとママに言うが、いや、あの娘はいつも一人よという。店の中のことだから違うものが見えているはずがないのだが、これがとても奇妙だ。私がその店で見る限り、女性がひとりだったことはない。
あてにならない本人の弁では、過去に100人近い女性を使って商売をしていたらしい。誰もそれを信じないが、どうやらはっきりしていることは、今は生活保護を貰って近くのアパートに居るらしい。生活保護でそんなに飲めるのか。この周辺では出禁になっている店もあるが、出禁にならない店で飲んでいる。店も商売だから、よほどのことがないと出禁にはしないが、出禁の店ではなにがあったのだろう。あまりほじくってもしょうがないが、出禁とはっきり言った訳じゃないが、もう来ることはないと店は言う。それなりのトラブルがあったのだろう。出禁にならない店でも他の客とトラブルがあるので鉢合わせすると厄介なのだそうだ。
ピントがイマイチこないが、それはそれで奇妙な女性だと思う。調べれば小説の一本くらいは書けるだろうか。案外豪傑なのかも知れない。

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