先の記事の絵は、実は特別何を描こうと意図したわけではない。つまり顔のようなものを描く意図は全くなかった。例えれば、薄暗い原野と怪しげな空間とでも言えようか、実はそれすらはっきりとした意図を持っていなかったのだが、成り行きでそんなものに見えればよいと言ったところだった。絵そのものは荒い目の小さなスケッチブックにポスターカラーの黒だけで描いている。
これが元の絵だが、実はこれ自体、結果的には随分気味の悪いものになっている。ホラー映画にでも出てきそうな豚皮を被った怪物にも見えなくもない。私は詳しくはないが、あの手の映画をなんと言うのだっけ。スプラッター映画か。今ちょっと調べてみると、血が飛び散るとか解説されている。
実は私は血が苦手だ。ホラーは好きなのだが、血が出始めるとうんざりする。そんなモロなところじゃなくて脳みそのところで怖さを表現して欲しいのだ。
といって才能もない者がこんなところで言ってても始まらない。とにかく絵の話だが、これをなんとはなしに回転させてみると物の見事に獣の顔が浮かんだのだ。どの辺かは想像がつくだろう。その気になって見れば他にも顔は幾つも浮かんでいる。
これは自分にとってはかなり嫌な出来事だ。意図しない場所ではただ絵の具が適当に流れたり付着したりしているに過ぎない。その時の偶然性に期待しているのだ。ところが出てきたのが獣のような顔だ。これはちょっとギョッとさせられる。
この絵は実は過去に私の別ブログで公開したものだ。一部だけを切り取って公開したが、こちらで記事を書く都合であちらは削除してある。当時は偶然によって描かれる不気味な雰囲気もそれはそれで面白みがあると思っていたが、この頃になってやや気になる。材料が絵の具であっても、しかし偶然によって出て来るものならば、印画紙や受光素子に定着する奇妙なイメージと何等の変わりもない。
意見がすぐそちらに走ってしまいがちな人ならこういうかも知れない。あなたに何かが憑いているのだと。
0 件のコメント:
コメントを投稿