実際樹木はかなり怪物的である。この木の根っこの形を見れば、実のところ彼らはイカやタコのような軟体動物ではないかとさえ思える。姿は完全に悪魔的だ。
この木は私の住まいから徒歩で行ける場所の汚れた川の土手に伸びている。いつからあるのかは知らない。川にはゴミが投げ込まれ、散乱という程ではないがあまり楽しめる景観ではない。
トリフィドの日とか、そんな名前の小説があった。あまり細かく覚えていないが、パイナップルのような形のお化けの木が動き回るストーリーだったと思う。最後は海水かなにかで、そんなアホなというほど呆気なくやられた。人類の危機は救われたのだ。最近リメイクされたかも知れない。リメイクは知らないが、そんなに簡単にくたばったら面白くないと思ってしまう。しかし歩くときの音がなかなかヘビーな響きで良かった。
ずっと以前から、多くの人の頭の中で樹木と怪物的なイメージは重なっている。想像を逞しくすれば更に多くのクリーチャーをイメージできるかも知れない。この木など、根っこは完全に危険な生物の触手だ。
樹木に関しては、歩けば色んなところに怪物が存在する。揃いも揃って愉快な形にならないのはどういう理由だろうか。枯木を描く絵かきは多いが、気づかぬうちにゾットする描画になっていることがある。なぜか描いている本人にはわからないようだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿