隣り街の寂しい駅前。そこに居酒屋が何軒かあって、その一つが例の視えると称する女性と遭遇した場所だ。事情があってそこへはもう行かない。代わりにもっと駅近に立ち寄ることが多い。
以前の記事と重複するが、知らないのは自分だけだって、女性は普段から変わった類の人で、その付近では知らぬ者はない。詳しくは知らないが他の客とも何らかのトラブルになってもいるようだ。
トラブル相手と遭遇すると危険だと思うのだが、女性は割と店を訪れるようだ。もう一軒別の店では事実上の出禁らしい。その女性と先日遭遇した。私が店に入った時に目が合って、完全に認識しているが、完全に無視している。その理由というか、事情が知れない。かなり長い時間親密に話し合った間なのに、後に遭遇したら完全に無視している。
店の人は、ああ、あれはそうだから、という。皆知っていると。そんな振舞いの女性が、必ず何人かの連れとやって来る。それも奇妙だ。周りの評判がすこぶる悪いのに…。
妙なことに、今まで気にならなかった女性の顔つきが、以後は随分気味悪く感じる。以前はそういえば顔などマジマジと眺めることはなかった。一瞬目が合った時の今の女性の顔の方が印象強く入ってくる。ちょっと奇妙な顔をしていたんだと改めて思う。
女性がスマホで連絡を取っていた先生格の男の霊能者っていったい誰だったのか。私は彼とスマホ越しで話している。色々と訊かれて素直に答えた。
以後の感じがこうなっている。もしかしたら誰かと組んだ芝居だったかも。店の人はその可能性が高いと言うけれど、芝居して何になる。
以後も度々その店で遭遇する。知らぬ顔してるのよ、とママが私に忠告する。
何にしても奇妙な話だ。だから、周りが関わるなと言っても気になる。